皆さん、こんにちは。 東京都世田谷区を拠点とし、注文住宅・新築工事やリフォーム・リノベーション工事を手掛ける川津工務店株式会社です。
家の建て替えを考えたとき、「予算1000万円で足りるのだろうか」と気になる方は多いのではないでしょうか。
総額1000万円で新築の家に建て替えるのは、現在の建築費では難しいのが実情です。一方、1000万円が自己資金であれば、住宅ローンも含めて資金計画を立てられるため、選択肢は大きく広がります。
この記事では、世田谷区で新築やリノベーションを手掛ける工務店の視点から、建て替えにかかる費用と1000万円という予算の考え方を解説します。
■1000万円で家の建て替えはできる?「総額」か「自己資金」かで答えが変わる

まず確認したいのが、その1000万円が建て替えにかけられる総額なのか、手元にある自己資金なのかという点です。同じ1000万円でも、意味によって建てられる家の規模や資金計画は大きく変わります。
・建て替えにかかった費用は平均6,135万円(国の最新調査)
国土交通省「令和7年度 住宅市場動向調査報告書」(2026年7月公表)によると、建て替え世帯の住宅建築資金は全国平均6,135万円、中央値4,000万円です。
この金額には土地代が含まれていません。建て替えはすでに土地を所有していることが前提となるため、「1000万円で建て替えられるか」を考える際には、この建物だけの費用が比較対象になります。
また、注文住宅の住宅建築資金(土地購入資金を除く)は全国平均5,233万円に対し、世田谷区を含む三大都市圏では5,925万円と、全国平均を692万円上回っています。
近年は建材や人件費の上昇に加え、2025年4月から原則すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務づけられ、断熱性能や設備に求められる水準も上がりました。こうした仕様の底上げも、建築費を押し上げる要因の一つです。
・建て替えた人の半分以上は「自己資金」で払っている
建て替えでは、すべての費用を住宅ローンでまかなうとは限りません。国土交通省の同じ調査によると、建て替え世帯の自己資金は平均3,158万円で、自己資金比率は51.5%。新築世帯の27.5%と比べると、倍近い割合です。
ここで重要なのが、「予算1000万円」の意味です。解体費や諸費用を含めた総額が1000万円なら、次の章で見るとおり、新築の家を建てるのは困難です。
一方、手元にある自己資金が1000万円という意味であれば、そこに住宅ローンを組み合わせる、ごく標準的なスタートラインと考えられます。どこまで借りるかは、今後の生活費や返済負担まで含めて無理のない範囲で決めることが大切です。
建て替えかリフォームかで迷っている場合は、築30年の家を建て替えるべきか、リフォームで足りるかの判断基準も参考にしてください。
■総額1000万円だと、家はどのくらいの規模になる?

総額1000万円で建て替える場合、すべてを建物本体に使えるわけではありません。解体費や付帯工事などを差し引いたうえで、建物にいくら回せるのか、どの程度の広さ・仕様が現実的なのかを見ていきます。
・建物本体に回せるのは、総額から解体・諸費用を引いた残り
総額1000万円から解体・付帯工事・諸費用を引くと、建物本体に回せる金額はさらに少なくなります。
注意したいのが、よく広告で見る「坪単価○○万円」という表示です。坪単価は本体工事費だけをもとにしていることが多く、解体費や外構費などを含む建て替え総額とは別に考える必要があります。
・1000万円では、延床20坪台の家にも届かない
国土交通省の同じ調査では、建て替え後の住宅の延べ床面積は全国平均130.7㎡(約40坪)です。住宅建築資金の平均6,135万円をこの面積で単純に割ると、1㎡あたり約47万円、1坪あたり約155万円になります。
この単価で計算すると、1000万円をすべて建物に充てても建てられるのは延床6坪ほどです。実際には解体費や諸費用も差し引かれるため、面積はさらに小さくなります。平均には仕様や設備にこだわった住宅も含まれるため実際の単価には幅がありますが、仮に単価が半分だったとしても延床13坪ほどで、家族で暮らせる広さには届きません。現在の建築費では、総額1000万円で新築の家に建て替えるのは現実的ではないといえます。
それでも建築費を少しでも抑えるなら、凹凸の少ない総二階にして屋根を単純な形にし、住宅設備は標準グレードを基本にします。床面積や建物の凹凸を減らせば、材料や外壁、足場にかかる費用も抑えられます。上下階で水回りの位置をそろえ、配管を短くすることもコストダウンにつながります。
・実際に建てている家との差を知っておく
川津工務店が公開している施工事例には、延床28坪(3LDK+小屋裏)の注文住宅があります。先ほどの計算に当てはめると、この規模の家は建物だけでも1000万円を大きく上回ります。3人以上の家族が長く暮らすなら、必要な居室や収納を確保できる広さから逆算して予算を考えることが大切です。
この28坪の住宅でも、設計段階からたくさんの打ち合わせを重ねています。注文住宅は間取りや設備、内装など決める項目が多く、設計や調整にかかる手間も費用の一部です。あらかじめ仕様を絞り、打ち合わせを減らすこともコストを抑える方法の一つになります。
実際の規模感については、世田谷区で施工した3LDK・28坪の注文住宅の施工内容で確認いただけます。
・削れるものと、削ってはいけないもの
予算を抑えるなら、まず面積や建物形状、住宅設備のグレードで調整します。一方、断熱性能や構造・耐震性能まで削るのはおすすめできません。
2025年4月から新築住宅には省エネ基準への適合が義務づけられ、国は遅くとも2030年までに、その基準をZEH水準へ引き上げる方針です。ZEH水準では、断熱等性能等級5以上が求められます。今の最低基準だけに合わせて断熱性能を抑えると、数年後には新築住宅に求められる水準に届かなくなる可能性があります。数十年に一度の建て替えだからこそ、ここを削るのは得策ではありません。
構造や耐震性能も、後から高めようとすると大掛かりな工事が必要です。性能を確保しながらコストを調整する方法の一つとして、後ほど紹介する規格プランなども選択肢になります。
<参考>
コンパクトな家づくりを検討する際は、狭小住宅が「やめとけ」と言われる理由と、失敗しないための対策も参考にしてください。
■建て替えは「建てる前」にお金がかかる ─ 費用の内訳

建て替えでは、新しい家の建築費だけでなく、解体や地盤調査、仮住まいなどにもお金がかかります。見落としやすい費用も含めて内訳を見ていきましょう。
・解体、撤去費用は木造で1坪あたり4万〜6万円が目安
木造住宅の解体費は、1坪あたり4万〜6万円が目安です。30坪なら120万〜180万円程度ですが、廃材の処分費が別途かかる場合があり、建物の状態によっても費用は変わります。アスベストを含む建材が見つかった場合は、除去・処分費も追加で必要です。
さらに解体後、地中から古い基礎や埋設物などが見つかるケースもあります。川津工務店では古家の解体から新築までワンストップで対応しているため、こうした想定外の事態にもそのまま新築工事と連携して対応できます。解体と新築を別々の会社に依頼すると、責任範囲の確認や調整が必要になり、その分だけ時間や費用がかかります。
解体から新築まで一貫して進めるメリットは、古家付きの土地や住まいを建て替えるときのメリットをまとめた施工事例でも紹介しています。
・地盤調査、改良と付帯工事
地盤調査は一般的な戸建て住宅で5万〜10万円程度が目安です。調査の結果、地盤改良が必要になれば、工法や改良する深さによって数十万〜200万円程度かかることもあります。
屋外の給排水やガスの引き込み、外構工事も本体工事費に含まれない場合があります。見積もりでは、どこまで含まれているのか確認が必要です。
・仮住まい、引越し、登記、税金
見落としやすいのが、仮住まいと引越しの費用です。建て替えでは「現在の家から仮住まいへ」「仮住まいから新居へ」と、2回の引越しが必要になります。都内では工事期間中の家賃もかかるため、工期が長くなるほど負担も増えます。
建物滅失登記・表題登記・所有権保存登記、印紙税などの手続き費用も必要です。現金で支払うものも多いため、あらかじめ予算に見込んでおきましょう。
■住宅密集地では、同じ坪数でも費用が上がる

密集地が多い世田谷区では、建物の広さだけで建築費を判断できません。前面道路の幅や敷地の形状、隣家との距離によって、解体や資材搬入にかかる手間が変わります。
・重機が入らない現場は、解体費と搬入費が増える
密集地や旗竿地、狭小地では、大型重機やトラックが敷地まで入れない現場もあります。その場合は小型重機や手作業による解体、道路から敷地まで資材を運ぶ小運搬が必要になり、人手も増えます。前面道路が狭ければ、足場の設置や通行管理にも費用がかかります。
見積もりを取る前には、前面道路の幅員、敷地までの搬入経路、隣地との距離、電線や樹木が工事の支障にならないかを確認しましょう。同じ坪数でも敷地条件によって費用は変わるため、見積もり前に工務店に現地を見てもらう必要があります。
・建て替えると、前と同じ大きさの家が建たないことがある
注意したいのは、費用だけではありません。セットバックや建ぺい率・容積率、道路斜線・北側斜線など現在の法規制によって、建て替え前と同じ床面積を確保できないケースがあります。
とくに、建築当時は適法でも現在の基準には合わない「既存不適格」の建物では、建て替えによって家が小さくなる可能性があります。「解体してから分かった」では取り返しがつかないため、着工前の敷地調査と法規制の確認が欠かせません。
敷地条件による注意点は、新築で旗竿地を選ぶときに知っておきたいメリットと注意点で詳しく解説しています。
■予算を賢く抑える!建て替えで使える補助金・助成金

建て替えでは、国や自治体の補助制度を利用できる場合があります。対象となる住宅や地域、申請時期に条件があるため、計画の早い段階で確認しておきましょう。
・国の「みらいエコ住宅2026事業」
「みらいエコ住宅2026事業」は、2025年度の子育てグリーン住宅支援事業に続く国の住宅支援制度です。GX志向型住宅は世帯を問わず、長期優良住宅・ZEH水準住宅は子育て世帯または若者夫婦世帯が対象となります。
地域区分5〜8では、建て替え後の住宅がGX志向型住宅なら110万円、長期優良住宅なら75万円、ZEH水準住宅なら35万円/戸が補助されます。さらに長期優良住宅・ZEH水準住宅では、要件を満たす古い住宅を解体して建て替える場合、20万円/戸が加算されるため、建て替えに有利な仕組みです。
注文住宅の交付申請の期限は、GX志向型住宅・長期優良住宅が遅くとも2026年12月31日です。ZEH水準住宅は交付申請の期限が2026年9月30日のため、これから建て替えを計画する場合は利用できません。GX志向型住宅・長期優良住宅も先着順で、予算上限に達した時点で受付が終了します。2026年9月24日時点の予算執行状況は、GX志向型住宅が59%、長期優良住宅・ZEH水準住宅が33%です。利用を検討する場合は、公式サイトで最新の受付状況を確認してください。
<参考>
・自治体独自の制度もある(世田谷区の例)
世田谷区では、木造住宅が密集し、火災時の延焼リスクが高い地域を「不燃化特区」に指定し、老朽建築物の除却・建替え費用の助成や専門家による相談支援、固定資産税・都市計画税の減免を行っています。
不燃化特区は区内全域が対象ではなく、区役所周辺地区、北沢三・四丁目地区、太子堂・若林地区、北沢五丁目・大原一丁目地区に限られます。区役所周辺地区は令和8年度で各種助成を終了する予定で、建替え助成の申請受付はすでに終了しています。
また、世田谷区では昭和56年5月31日以前に着工した旧耐震基準の建築物に加え、昭和56年6月1日から平成12年5月31日までに着工した一定の木造住宅にも耐震化支援を行っています。
こうした制度は対象地域や建物、工事内容によって要件が異なるため、利用できるかどうかは区や工務店への事前確認が必要です。
<参考>
世田谷区「建物の不燃化に向けた助成制度のご案内【不燃化特区制度】」
■1000万円で足りないと分かったときの、2つの選択肢

建て替え費用が予算を超える場合は、工事の方法そのものを見直す必要があります。予算を変えずにリノベーションへ切り替える方法と、予算を上げて建て替える場合の選択肢を見ていきましょう。
・予算は変えずに、建て替えをやめてリノベーションにする
基礎や柱・梁など既存の構造を活かすのがリノベーション、建物をすべて解体してゼロから建て直すのが建て替えです。構造躯体の状態が良く、間取りや設備、断熱性能を改善したいならリノベーションが候補になります。
一方、構造そのものに傷みがある、耐震性を根本から高めたい、現在の法規制でも今より広い家を建てられる場合は、建て替えを検討する価値があります。
リノベーションで1000万円の予算があればどこまでできるのかは、一戸建てのリノベーションを1000万円で行った場合にどこまでできるかで詳しく紹介しています。
・予算を上げるなら、フルオーダーではなく規格プランを検討する
注文住宅は間取りや設備、内装など決めることが多く、その分、設計や打ち合わせにも手間がかかります。プランや仕様があらかじめ決まった規格住宅なら、必要な性能を確保しながら建築費の見通しを立てやすくなります。
川津工務店でも建てられる規格プランの一つが、LIXIL住宅研究所と工務店による規格住宅「YUIE」です。延床面積28坪台で、耐震等級3相当、断熱等級5相当(ZEH水準と同等の断熱性能)を基本としています。なお、お客様が選択されたプラン、仕様によっては満たせない場合があります。
依頼先を決める際は、複数社から見積もりを取りましょう。ただし、単純に総額を見て決めるのは早計です。解体、地盤改良、外構、仮住まいなど、どこまで見積もりに含まれているかを確認しなければ、同じ「1000万円」でも正しく比較できません。
川津工務店には設計士が在籍しており、工事内容だけでなく、見積もりの各項目についても説明できる体制があります。見積書を持ち込んで「この項目は何の費用なのか」と相談できる相手がいることは、予算が限られているときほど重要です。
建て替えかリノベーションかを決める前に、まず現在の建物の状態を確認すること。予算が限られているときほど、現状を診断してから工事方法を決めることが、結果として余計な出費を抑えることにつながります。
■まとめ|建て替え・リノベーションのご相談は川津工務店へ

総額1000万円で新築に建て替えるのは難しいものの、自己資金なら選択肢は広がります。面積や形状、補助制度、リノベーションも含めて比較し、まず建物と敷地の現状を確認することが近道です。
世田谷区の川津工務店は、新築からリフォーム・リノベーションまで対応。20代〜60代の大工10人が常駐し、大工工事を外注せずに進められるほか、設計士が見積もりの中身を説明し、代表とともに現場を管理します。古家の解体から新築まで一貫対応し、引き渡し後の不具合や困りごとも相談できる地域密着の「住まいの萬屋」です。「予算1000万円で何ができる?」「建て替えとリノベーションで迷っている」という方は、お問い合わせフォームからご相談ください。
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